WEEKLY| DECEMBER VOL.2 世界中でミツバチが減少、人間に与える影響とは?

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今週も世界中のサスティナビリティに関する最新ニュースや生活を豊かにする情報をBlogよりお届けします!
今週は、世界中でミツバチが減少、人間に与える影響についてお話します。

<世界中でミツバチが減少、人間に与える影響>

“If the bee disappears from the surface of the earth, man would have no more than four years to live‘’
「もし、ミツバチがいなくなったら人間は4年も生きることができない」

 

皆さんはこの言葉を知っているでしょうか?有名な学者アインシュタインの言葉です。そして現在、世界中で蜂の減少が続いており、問題視されています。今回の記事ではミツバチに起きている問題について触れつつこの言葉の意味を詳しくお話していきたいと思います。


なぜ蜂がいなくなったら人間が生きて行くことができなくなるのか?
皆さんは、「ミツバチ」が私たちの生活に与えている恩恵をご存知でしょうか?国連環境計画報告書によると「世界の食料の9割をまかなう100種類の作物のうち、70種類以上はミツバチが受粉を媒介している」と報告されています

加えて、UNEPの発表した報告書によると)「ミツバチをはじめとする花粉媒介昆虫が減少すると、世界的な食糧危機を招く」と警告されています。ヨーロッパだけでも4000種類もの野菜がハチの花粉媒介の恩恵を受けており、日本でもビニールハウスによる栽培や果樹園に導入されている花粉交配用のミツバチは年間で10万匹を上回っています。また、受粉を担う蜂がいなければ、世界の農地の35%で収穫量が低下し、世界の主な農作物の87品種が影響を受けると言われているのです。

このように地球・私たちは、ハチ類の繁栄によって支えられてきたといっても過言ではありません。

その蜂がもしいなくなってしまったら様々なところに歪みが起こることが予想されます。そして上記で説明した「多くの農作物(野菜やフルーツ)が育たなくなる」ことによって他にも多くの問題が、連鎖的に生じていきます。

主に予測されるのが下記の3つです。

このようにもしミツバチがいなくなると世界的に問題が生じ、人間の生活も危ぶまれるのです。

では実際どのくらいミツバチが減少しているのでしょうか?

上記のグラフはメリーランド大学とオーバーン大学が共同で行ったアメリカの養蜂家4700人を対象にした研究結果です。報告によるとアメリカの養蜂家が管理するハチのコロニーは、2010年から毎年平均37.8%ずつ消滅していることが報告されました。
欧州ではミツバチの10~30%、中東では85%が消滅しています。その原因は農薬、環境破壊、養蜂家の減少、花の咲く植物の減少など様々な可能性が指摘されています。
日本各地で、ミツバチの大量死や、ミツバチの巣に異変が見られています。さまざまな原因が複合的に影響を与えていると言われていますが、その中でももっとも直接的な原因とされているのが、ネオニコチノイド系農薬です。

ミツバチの世界的な減少の明確な理由はまだ解明されていませんが、理由の一つとしてネオニコチノイド系農薬の存在があげられます。ネオニコチノイド系農薬は昆虫の神経伝達を阻害することで、殺虫活性をを行い、影響を与えることのできる害虫の種類が広いという特徴があります。
現在、7つの化学物質が農薬取締法に基づいてネオニコチノイド系殺虫剤として登録されています。昆虫の神経伝達を阻害することで殺虫活性を発現し、適用できる害虫の種類が広いという特徴があります。その強い毒性からヨーロッパなどで使用を規制する国も数多くある中で、しかしまだ日本は利用を規制していないという現状があるのです。日本でも多くの人がネオニコチノイド系殺虫剤がもたらす影響について知識を広めることで、少しづつ自然社会に害のある農薬の使用を減っていけばいいですね。

蜂の減少が問題視される中、世界中では蜂を守ろうと様々な取り組みが行われ始めています。

オランダ・グリーンルーフ

ユトレヒト市では街にある316のバス停の屋根を緑化し、ミツバチやマルハナバチがとまって受粉できる取り組みをはじめました。ユトレヒト氏では、市民が家の屋根を緑化することも推奨しており、そのための補助金が出るなど、市を挙げて緑化に励んでいます。近隣国々の間でも広がりドイツのハンブルグでは既に4200個のバス停でグリーンルーフが普及しています。

日本・銀座ミツバチプロジェクト

東京・銀座でもビルの屋上で養蜂活動をし、環境問題に関心のある市民に対して、ミツバチの飼育を通して地域の生態系を中心とする環境の保全と養蜂の普及啓発に関する事業を行い、環境保全に対する意識の向上に配慮した街づくりに寄与することを目的として活動がスタートしました。下記のサイトから銀座でとれたハチミツやハチミツを使用した商品を購入できますのでぜひチェックしてみてください!
https://gin-pachi.jp/ 

Fairmont Hotel

fairmontグループの20を超えるホテルの屋上やテラスなどのスペースに養蜂箱を設置し、蜂の減少を防ぐ活動をしています。例えばカナダ・バンクーバーにあるFairmont ホテルでは、3階のテラスで4つの養蜂箱を設置しており、25万匹以上飼育しています。そこで収穫できるハチミツをゲストに提供しています。「Bee green パッケージ」プランも用意されており、ホテルで収穫した蜂蜜をゲストにアメニティとしてプレゼント、更に売り上げのうち10ドルを蜂の減少を防ぐためのプロジェクトに寄付している。

イタリア・B-BOX

イタリアの会社がプロの養蜂家でなくても、誰もが簡単かつ安全にハチを飼育できる「B-BOX」とい巣箱を開発 この「B-BOX」は1平方メートルのスペースに収まるサイズなので、家のベランダや庭などに設置できる点が便利です。広い土地を必要としないため、都会でもハチを飼育できる。 巣の壁が透明になっていて外から中が見えるため、ハチの観察をすることができ、人がはちみつを消費することでハチの巣にどういう影響が出るのか、理解を深めることができる。

ここまで、企業や自治体の取り組みについてお話してきましたが、ミツバチ減少を食い止めるために私たちができることもあるのでご紹介します。

  1. 買い物に気をつける
    できるだけオーガニックの野菜や果物を選ぶことで、オーガニック農園の支えになり農薬を使っていない農作物を増やすことに繋がります。それにより、ミツバチにとって有害な農薬の使用量を減らすことができます。

  2. 花や木を植える(生き物がよろこぶ行動をする)
    ミツバチが好きなローズマリー、ラベンダー、ミントなどを植えることで、それらが蜜源になになり、ミツバチの増加を支えます。

  3. 自然に感謝をし、農作物を大切にすること
    できるだけ食品ロスをなくし、本当に必要なものを必要な分だけ買うようにしましょう。

「もし、ミツバチがいなくなったら人間は4年も生きることができない」
この言葉の意味を理解する事でミツバチだけでなく環境問題や生物多様性にも目を向けるきっかけになるかもしれません。人間の生活だけに目を向けるのではなく、虫や植物の生態系が人間の社会にも直接繋がっている事を知り、日々の生活の中で環境や生物多様性にも優しい選択をできれば素敵ですね。

 

References

木村 つぐみ. 'ハチ激減をストップ。都会の自宅でできたての蜂蜜を収穫できる「b-box」' Ideas for good. 2019-08-13. https://ideasforgood.jp/2019/08/13/b-box/(参照 2021‐12‐10)

さくらい 伸. '銀座のミツバチが教えてくれたこと.'ニッポンドットコム. 2016-05-12**.**https://www.nippon.com/ja/views/b00307/.(参照 2021‐12‐10)

日本生協連.’Ⅲ章 生態系への影響とネオニコチノイド系農薬.’日本生協連.https://jccu.coop/food-safety/qa/pdf/qa03_04_05.pdf.(参照 2021‐12‐10)

芳山 三喜雄. '世界におけるミツバチ減少の現状と欧米における要因'. ミツバチ科学. 2011-11. https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2030831164.pdf. (参照 2021‐12‐10)

Fairmont Hotel. 'Bee Sustainable.' Accor Hotels. http://fairmontbeesustainable.com/.(参照 2021‐12‐10)

Marico.'オランダのユトレヒト、バス停を「ハチ停」に。生物多様性をまもる緑の屋根' Ideas for good. 2019-08-06. https://ideasforgood.jp/2019/08/06/bee-friendly-busstop/. (参照 2021‐12‐10)

McFall-Johnsen, M.'ミツバチがいなくなると世界はこうなる.' BUSINESS INSIDER. 2019-08-22.https://www.businessinsider.jp/post-196538. (参照 2021‐12‐10)

Pearson, A. 'Urban Islands for Our Pollinators'. Green Earth Plan. 2021-3.https://www.greenearthplan.org/our-news-blog/urban-islands-bee-bus-(参照2021‐12‐10)

Steinhauer, N., Aurell, D.,Bruckner,S., Wilson, M., Rennich, K.,vanEngelsdorp, D.& Williams, G. 'United States Honey Bee Colony Losses 2020-2021: Preliminary Results.' University of Maryland & Auburn University. 2021‐06‐23.https://beeinformed.org/wp-content/uploads/2021/06/BIP_2020_21_Losses_Abstract_2021.06.14_FINAL_R1.pdf.(参照 2021‐12‐10)

Watter, S. Cutlip, K. 'Honey Bee Losses Reach Record Highs, Survey Finds.' Maryland Today. 2020-06-24. https://today.umd.edu/honey-bee-losses-reach-record-highs-survey-finds-f0c30c35-b6b9-496a-b298-48f91834beafstops. (参照2021‐12‐10)

 

 

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